暑かったけど楽しかった、100名山、苗場山&四阿山

例会山行

7月31日からのHCWildBerryの例会山行は、2泊3日の日程で、日本100名山を2座登頂予定の、苗場山(2154m)&四阿山(2354m)。

当初、7月30日から3泊4日予定で、北アルプス槍ヶ岳と裏銀座の一部を歩く予定だったが、折からのコロナ患者増加のため、感染リスクの多い、電車や大部屋の山小屋泊まりを避けようと、急遽、車による移動および個室が取れる民宿やペンション泊りに変更。さらに都会からの人の多い北アルプスを避け、同じ100名山ながら、この時期あまり人の行かない山域の計画にした。

7月31日(日曜日)今日は山には登らず、移動のための日なので、拝島駅に遅めの11時半集合。男性2名女性2名の計4名で、最初の目的地、苗場山の登山口、秘境秋山郷の小赤沢温泉をめざす。入間ICから高速を使い、塩沢・石打ICで高速を降り、あとは一般道をひたすら走る。

16時ころに今夜の宿泊地小赤沢温泉民宿丸山荘に到着。ここが大当たりの民宿で、宿泊料7500円と山小屋個室の半額以下で、アメニティーも揃っており、部屋もトイレも綺麗、食事も素朴な素材ながら手がこんでおり、美味しかった。山菜中心だが、私が田舎の民宿は草ばかり出ますよ。と言ったフレーズが気に入ったのか、会長がそれからは、野菜が出ると草ばかり、と言うようになってしまった。

宿では、私のいびきが気になったのか、会長が女性陣の部屋に侵入し寝ていたが、もし女性陣に訴えられていたら、これ以降の山行記録は無くなっていたかもしれない。

8月1日(月曜日)7時15分ころに宿を出発。出発時に宿から缶のお茶と手作りの、さるぼぼのぬいぐるみまで貰ってしまった。宿前の林道を進み、3合目登山口を目指す。津南町のセブンで、明日の昼食を仕入れ、あとは狭い山道を事故に注意しながら、進んでゆくと、突然前席の二人が「熊だ。」と叫んだ。見ると山の斜面から、子熊が車道を横切り、崖を降っていった。子熊はとても可愛らしかったが、もう少し早くそこを通っていたら、母熊に遭遇していたかもしれないので、いろんな意味で運が良かった。珍しく会長が興奮しているので、聞いたら、50年以上登山をやっていて、熊を見たのは初めてだそうだ。まあ私も30年くらい歩いていて、遠くに熊の背中らしきものを1回見た程度なので、人のことを言えないが。人から恐れられている、熊は決して害獣ではなく、自然の中で大切な役割を持つ、めずらしく、貴重な生き物なのだ。そして、オマケがあるのだが、いつもは熊鈴を付けている登山者に食って掛かる会長が、この山行時は熊鈴を鳴らす登山者に、一切文句を言わなかったことも付け加えておく。本物の熊の威力は絶大だが、まあその威力も今回だけだろう。

7時35分到着し、登山口を40分ころに登り始める。4合目に30分程度、5合目、6合目と同じ時間くらいかかって登って行く。道は歩き易いが暑い。東京に比べればはるかに涼しいのだろうが、すぐに汗だくになる。女性陣は花を見つけると、写真に撮ったり、花の名前を考えたりしているが、私は暑さの方が先行してしまっていた。

6合目からはいきなりの急登になり、ところどころに鎖場が現れてくる。鎖に頼らなくても、足場がいくらでもあるのだが、一歩一歩が大きく歩きにくい。木の間越しにたまに見える景色に救われる。

8合目を過ぎて少し行くと、展望が急に開け、歩き易い木道のある湿地帯に変わる。ここから苗場山山頂まで、まさに別天地だ。広大な山上湿原が広がり、景色を遮るものが無い。後ろを振り返ると、急峻な鳥甲山。山上湿原では、平が岳や会津駒なども有名だが、規模は苗場山の方がはるかに大きい。例えれば、小型の尾瀬ヶ原が山頂にあるイメージだ。暑さに耐えて来て良かったと心から思えた。

11時12分山頂到着。写真撮影のあと、開けたところで軽く食事をとり、充分に湿原を堪能したところで、名残惜しいが下山開始。あとは来た道を淡々とたどる。特に事故もなく、14時13分登山口に到着。6時間半の登山であったが、今回はここで終了ではなく、急いで次の登山口、菅平高原を目指す。

来た道を引き返し、津南町で長野方面へ進み、豊田飯山ICから高速を使い、上田・菅平ICでおり、あとは一般道を菅平高原へ。約3時間半の道のりだ。18時少し前に、今夜の宿泊地菅平高原・アウトドアロッジ自然回帰線に到着。まあここは一言で言うとマニアのための宿っぽい。入口からして宿らしくなく、玄関を開けると、いきなり工具やらパーツやらが散乱し、会長が作業場と間違えたくらいだ。アメニティーは全て有料。掃除も一部手が入っておらず、食事も素材は良いのだが、素材の良さを売りにしているのか、そのまま出すという具合だ。前泊の丸山荘は素材の良さに胡坐をかかず、全てに手をいれていたのだが。

部屋も女性陣の部屋は暑く、当然エアコンは無く窓も全開しないため、Mさんは寝不足になり、翌日支障をきたすほどだったそうだ。宿泊料は9100円。安い部類と思うが、前泊の丸山荘があまりにも良すぎたため、私の感想としては、丸山荘さん、機会があればぜひともまたお世話になります。自然回帰線さん、お仕事頑張ってね、もう会うことはないでしょう。かな。

8月2日(火曜日)8時15分宿を出発、25分登山口の菅平牧場到着。牛がお出迎えしてくれる気持ちの良い場所だ。

本日の計画では、四阿山から根子岳を周遊する計画であったが、前日以上の暑さ予報と、四阿山、根子岳は樹林帯が少なく、日を遮るものが特に根子岳にはないので、熱中症対策で、急遽四阿山往復に変更して登山を開始した。

入口で長野県警山岳隊の方が、安全登山のキャンペーンを行っており、アミノバイタルの試供品やウエットティッシュ、山のグレーティングの冊子など配っていた。早速会長が山岳隊の方に、紙の行動計画を渡したり、オンライン計画書コンパスも提出しているとPRしていたが、紙の計画書ルート変更前だし、オンライン計画書出したのH氏なんですが。とIさんがツッコミをいれていた。

さらにその先で、会長が若い女性つかまっており、信濃毎日新聞の取材だった。会話の内容は聞き取れなかったが、Iさん曰く、とんちんかなん受け答えをしていたそうで、新聞記事に載るかどうかは微妙なところだと思う。出来れば会のPRになるので、掲載されて欲しいところだが。

入口でいろいろあったが、36分登山開始。最初は牧場横から、シラカバの高原散策道のような、穏やかな道。ところどころぬかるんでいるが、四阿山名物と思ってあきらめて歩く。出発点の標高1590m、苗場山とほぼ同じ標高差840mほどの登りだ。沢を渡り、笹原とシラカバ樹林の道を進む。急登はほとんど無く、前日の苗場山よりはるかに登りやすい。会長が言っていた日陰の無さも思った程ではなく、1時間10分で小さな岩場が現れると、そこが小四阿。さらに40分でまた同じような少し大きい岩場が現れると、そこが中四阿。ようは山頂と同じような場所が地名になっているみたいだ。

ここからは岩場の急登に変わったが、ここでうちの会でも最強の一角、Mさんの様子がおかしくなる。一歩が進まない。遅れる。会長の激励と言う名の罵声がとぶ。やはり前日の寝不足が影響したようだ。それでも必死に登り、斜度が緩やかになると、四阿山山頂に11時43分到着。

景色は最高。前日の苗場山とは違い、狭い岩場の山頂だが、煙を吹く浅間山がまじかに見える。万座や志賀高原も近い。辛さを忘れる一瞬だ。

40分程の景色堪能と軽い昼食のあと、下山開始。来た道を戻る。登りと違い、ペースが早い。一気に賭け降りるイメージで、会長のペースが異常に早く、Iさんから苦情が出るくらいだ。どうやら牧場のソフトクリームを少しでも早く食べたかったようで、我々はその巻き沿いを食らってしまった。

14時41分下山終了。約6時間10分の登山だった。そのあと牧場で、会長はソフトクリーム、残りの3人はクリームソーダを堪能し、途中で小さな温泉で汗を流したあと、19時ころに拝島駅到着。暑かったが楽しかった登山であった。

                            記H

コメント

  1. 俊ちゃん より:

    苗場山は4回目かな、やはり加齢で厳しかった!それでも豊かな池塘は10数年前と変わらず我々を迎えてくれた。同行の仲間はいずれも気のおけない、山大好きの仲間。投稿してくれたHさん、熊の子供との遭遇は苗場山3合目駐車場に行く途中でしたよ!いろいろあってやや混乱してますね😂四阿山は3回目かな?登山道脇の笹や樹木が大きくなって、景観が悪くなったように思った。それでも体調悪い仲間を励ましながら、ほぼコースタイムで歩けた👌ほんとうに2つの山ともに楽しい山行だった😀