7月18日(木)15時25分メンバー5人が集まり車に乗り込み、ワクワクと不安を乗せて立川駅を出発。20時今夜宿泊するコテージ・コッペに到着。ログハウスが見え、丸太とステンドガラスをあしらったドアが目に飛び込んできた。オーナーさんの話によると40年前に手作りしたとのこと。明日からのささやかな出発式をする。なんとも居心地良くゆっくり休めた。
7月19日(金)1日目猿倉荘にて朝食を取り、6時31分出発。私はファンデーションすら持たず、女性お二人は迷った末インナーシーツを車に残し軽量化したが、慣れるまでザックが重く感じられた。心配していた雨が降らなくて良かったね、照り付けなくてむしろ助かるねと話しながら登る。可憐な花々に励まされながら黙々と足を運ぶ。シナノキンバイ、シモツケソウ、ニッコウキスゲ、クルマユリ、ゴゼンタチバナもう少し登るとワタスゲやチングルマが登場。白馬鑓温泉小屋まで3つ小雪渓を横断する。3つ目の小雪渓からアイゼンをつける。3つ目の小雪渓を渡って少し歩いたころ急におなかの調子が悪くなり、軽い貧血状態になり、休みを取ってもらう。普段から虚弱お腹で、量を食べられないのだが、山ではお腹をこわしたことがなかったので、驚く。
鑓温泉に近づくにつれて硫黄のにおいがしてくる。
白馬鑓温泉小屋にて昼食。私は足湯に足を浸しながら少しだけ食べる。
12時半白馬鑓温泉出発。さあ、ここからがきつい登りだ。鎖場のところでヘルメットを着ける。みなヘロヘロになりながら頑張る。下部温泉でもらった胃腸にもいい水を飲んだら元気が出てきた。人の体は不思議なものだ。大出原辺りでもう一つ雪渓を渡り、15時半鑓温泉分岐、やっと稜線に出て、今日の宿泊地、天狗山荘の道標を見つけるもガスっていて天狗山荘が見えてこない。矢印やテープがあるが、探りながら進んでいると大声が霧の向こうから聞こえてきた。天狗山荘の人が、戻って雪渓に降りてくれと叫んでいる。またアイゼンをつけて今日5つ目の雪渓を渡ってようやく16時33分に天狗山荘到着。どんなに遅くても16時前には着くようにと山小屋のスタッフに叱られた。
7月20日(土)2日目
6時45分天狗山荘を雨と風の中を出発。雨具にスパッツ、アイゼン、ストックというフル装備。まずは小雪渓を登る。稜線に出ると、雨粒が顔に吹き付けて痛い。風で何度も吹き飛ばされそうになり、リーダーから「腰を低く」とアドバイスを受ける。風が吹いている中を急に強さを増した突風が吹きつけてくるので恐ろしい。天気さえよければ、ルンルンの稜線歩きだったはずなのにと思いながらも、それでもマインドフルネス呼吸法を使って歩いてみる。そんな悪天候の中でもけっこう登山者にすれ違う。白馬三山(散々な目に合う散々?)白馬鑓ケ岳7時53分着。雨風の中でやっと写真を撮る。白馬鑓を超えたところで雷鳥2羽発見。気持ちが明るくなる。白馬岳頂上宿舎のところでも1羽。この日合計5羽見ることができた。雷鳥を見るのが初めてというメンバーもいたので良かった。びっしょり濡れて白馬山荘に10時29分着。強い雨でザックカバーをしていてもリュックの中が濡れてしまい、靴の中もぐっちゃり。ゴアテックスのポケットの中にいれていたものまで濡れてしまう始末。寒くて、ラーメンやカレーを食べ、コーヒーやココアをすする。12時19分雨はおさまったが、風は相変わらずビュービュー音を立てている。12時41分白馬岳到着。相変わらず景色は真っ白。14時を過ぎたころ時々日が差してくる。小蓮華山14時25分着。風もおさまり青空が見えてきた。リーダーは最後16時に間に合うよう先を急ぐ。赤い屋根の白馬大池のほとりに立つ白馬大池山荘に到着16時5分。
7月21日(日)3日目
6時白馬大池山荘出発。大池のほとりの湖面を見ながら、安山岩のごつごつした道を登る。昨日下山したころから膝が痛かったので湿布をしたが、この足が持ってくれますようにと思いながらの出発となった。私の苦手とする岩道。6時49分乗鞍岳到着。大きなケルンが印象的。日曜日とあって登ってくる人が多くなかなか進めない。天狗原までの下りは行けども行けどもゴロゴロの岩で膝が熱をもって痛くてのろのろとしか歩けなくなってしまう。運命共同体なので、大変申し訳なく思う。途中湿布を取り換えテーピングをしてもらう。
やっとの思いで10時55分栂池山荘着。
栂池自然園には私は断念して、ビジターセンターで1時間ほど待っていた。そこからロープウエイ、ゴンドラと乗り継ぎ、バスに乗って白馬バスターミナルまで戻る。高アルカリ泉質の八方の湯で汗を流し、夕ご飯は横川のサービスエリアの釜めしで締めくくる。
帰ってきて思うこと
リンとした可憐な花々、雄大な稜線が浮かんでくる。
すれ違う人々がとても多かった。ノルウェイ、アメリカ、ドイツと西洋からの登山者が印象的。また私たちと同じくらいの男性2人女性2人のグループは同じ猿倉からの出発だが、泊りを一日増やして初日は鑓温泉に泊まると言う。今から思うと大雪渓の亀裂により迂回ルートを取らざるを得なかったのだが、休みを入れてだが、初日10時間、二日目9時間半の歩きを続けるのは私の場合は体力というより足が悲鳴をあげてしまった。でも男性二人は強かった。お金と時間が許せば、宿泊地を鑓温泉、白馬山荘、白馬大池と一日の行程を短くできればよかったと思う。
それにしても今回持って行ったものはメガネの予備以外全部見事に使った。こんなことは珍しい。 (昌子記)



























コメント
2日目の強烈な風雨は、特に大変だったことでしょう。2日続けてよく10時間近く頑張りましたね。
本当にすごいです!!