御岳山、花を探して鉄五郎新道を行く

例会山行

台風一過の8月17日土曜日、快晴。酷暑の真夏、鉄五郎新道から御岳山(883m)へ。メンバーは男性3名と女性4名、目的はレンゲショウマとミヤマウズラである。

JR青梅線古里駅に8時34分に到着。駅から登山口に向かい、吉野街道を南へ。橋を渡り西に折れ、滝を楽しみ、舗装路を行く。駐車場の横から登山道へ。ここがややわかりづらい。少し行くと立派な道標が立っていた。これが登山口にあればわかりやすいのだが。

 熱中症を警戒していたが、日差しを遮る樹林帯の平坦な道が続き、思ったほどの暑さはない。川沿いの登山道には水音が響き渡っていた。前日の台風の影響で、川は豊かな水を湛え、流れの上を涼しい風が渡ってくる。

 だが、川から離れ、尾根道に入ると、風景は一変する。

 登山口が高度300m、ここまでほぼ平坦だったから、848mの広沢山までの尾根道は、距離は短いが高低差がある。見上げると、結構な急斜面で、思わず「急登だ…」と声が漏れる。

「上を見たら負けだ」というリーダーの助言に吹き出しつつ、足を運ぶ。時々、上を見てしまったメンバーの泣き言とため息が交錯する中、ひたすら登る。なかなか手応えのある道である。途中、リーダーが振る舞ってくれた塩をたっぷりかけた冷やしトマトが汗だくの体に染みる。急登の区間が比較的短いのと、吹き上がる涼しい風に助けられ、やっとのことで広沢山の山頂へ。

広沢山から大塚山は一転、歩きやすく高原の散歩道といった趣だ。鉄五郎新道は変化に富んだコースだと思う。大塚山の広い休憩舎で軽食を取り、御岳山へ。満場一致で御嶽神社の石段はスキップし、紅葉屋でランチをいただく。抹茶を練り込んだうどんは翡翠色で目に楽しい。

食後は富士園地を散策、一面に咲く薄紫色の個性的な花、レンゲショウマを満喫した。

そしてついに、探してもなかなか見つからなかったミヤマウズラを発見。皆が気付かず通り過ぎた道で、最後尾のTさんが見つけたのだ。クリオネに似た小さな花に、全員の顔がほころぶ。Tさんの大手柄である。

帰りはケーブルカーで下山。バス停にはタイミングよくバスが待っていて、スムーズに御嶽駅に出ることができた。駅前でバスを降り、猛暑に驚く。今日は比較的過ごしやすい気温だったと思っていたが、山と地上で気温が違っていただけらしい。15時9分発の電車で帰路につく。

 涼やかな水音に癒やされ、おいしいランチをいただき、美しい花を愛でた贅沢な避暑の1日だった。リーダー始め、皆様、ありがとうございました。(M記)

コメント

  1. tuberose より:

    あんなに暑い日だったのに、山は緑と水と土で標高が1000メートルに満たなくても涼やかな風が吹く環境になるのですね!
    Mさんの巧みな文で、手に取るようにその情景が目に浮かびました。