9月15日(日曜日)、本日のHCWildBerryの例会山行は、高尾山に連なる尾根上にあり、ある意味奥高尾の終点、陣馬山(855m・神奈川県)。ただし今回の山行が今までと違うのは、気象予報士のN氏をお呼びして、山の天気や雲を観察する、観天望気山行だ。
8時10分いつもの立川駅に集合、途中合流予定の3名を除き、立川駅に12名が集まる予定の、珍しく大人数参加の山行だ。8時18分の電車に乗るため、全員が集合と思ったが、Kさんが見当たらない。電車の時間が来たので、集まった11名が乗り込み、登山口の藤野駅に向かう。ちなみに、見当たらなかった、Kさんは、最後尾で待つはずが、最前列の電車に乗り込んでおり、乗換駅の高尾駅で、無事合流出来た。
高尾駅で講師のN氏を含む2名、藤野駅で1名が合流し、計15名が9時04分発のバスで、登山口の陣馬登山口バス停に向かう。バス待ちの人数は、3連休中日の晴れの日とあり、結構な人数がいたが、増便が出て座って行ける。まあ、登山口バス停までは、6分なので立っていても問題ないのだが。
定刻9時10分に登山口のバス停到着、軽い挨拶のあと、早速講師N氏が、天気図の書かれたコピー用紙を全員に配り、今日の山行の天気予報や風の向き、強さなどの予想を、天気図から丁寧に説明してくれた。しかも天気図は朝3時時点のもの。そんなに早くから起きて準備してくれていた。感謝しかない。
昨日の天気予報では、曇り予報が多く、雨予報もあったのだが、今日は運よく晴れ、しかも快晴ではなく、程よく雲が出ている。N氏も嬉しそうだ。最もN氏曰く、雨の日は雨雲で話すことがあるそうだが、我々は雨の日は歩きたくないから、晴れてくれて助かった。
今回登る登山道は、緩やかな一の尾根。歩きながら講義するのには、最適と思われる登山道だ。所々空が開けている所で、雲と風の関係、雲の生成や高度、雨粒や雷の話など、話題が尽きない。正直言って、話半分も理解できていないが、それでも、N氏の穏やかな口調が人柄の良さを感じられ、話しの端々に、雲への愛情すら感じられる言動は、狭き門の気象予報士試験に合格するだけの事はあるな、と講義内容とは違う所で感心させらせた。
今日も蒸し暑く、緩い登りでも大汗が流れ出てくるが、時折吹く尾根上の涼しい風、自然林の木陰、そして講義しながらのゆっくり歩きなので、思ったよりは楽に11時50分に山頂に到着する。
全員で撮影をした後、陣馬山山頂はほぼ360°見渡せる眺めの良い山頂なので、当然N氏の説明も佳境に入る。東京方面を見て、黒く霞む水平の層の部分を見て、あれは土、埃などが巻き上げられ、1000~1500mくらいまでの雲の第一層です、とのこと。やはり都会は汚れているのだな。と別なことに納得してしまう。その後は丹沢方面の雲と台風の関係。その隣にあった小さく単独で浮かぶ雲が、気流の関係で出来ているから、15分くらいで消えてしまう。と説明していたが、まさにその通りに15分くらいで消えたのは、さすがに驚いた。
雲と風を愛しているとしか思えない、N氏の講義内容全てを、ここで全て説明することは出来ないが、印象的な出来事を一つ。30分程昼食休憩後、一部の会員が茶店のアイスを食べに茶店へ。会員に出発前にN氏が少し話したいと言っていたので、それを伝えに行くと、話好きっぽい茶店の主人が、みんな山頂で上を眺めて、なにをしていたのか聞いてきたから、気象予報士をお招きして、雲の説明を受けていたことを伝えた。それなら天気が変わる時に、下にある高速道路の車の音が、良く聞こえるようになるのはナゼか、知りたい。と言っていたのでN氏に聞くと、すぐさま、天気が変わる前に気圧が変わって、下からの風が吹くようになるから、それで音が風に乗って、良く聞こえるようになる。との返事。すぐさまそれを主人に伝えると、疑問が解消したので、大変うれしそうだった。それからはまた、音と風の講義で、赤城地方の音の事などの例がでてくる。
13時に下山開始。明王峠までは平坦な登山道だが、明王峠から与瀬神社までの尾根は、一の尾根とは打って変わって急坂と平坦が交互に出る、少々歩きにくい尾根だった。樹林帯の登山道は、空が見えず、淡々と歩き続ける。意外に長い下山道であった。
15時40分、相模湖駅まで10分程の与瀬神社着。やっと空が見渡せる所に、出た。N氏が空を見ている。私は先に相模湖方面に歩き始めたが、後続が付いて来ない。どうやら空の雲が気になったN氏の、最後の講義が始まったようだった。
今回の例会山行は、普段の花や景色を求めての山行と違い、天気と雲、風の関係を知る山行であったが、座学ではわかりにくい天気の講義も、現場で雲を見ながら教えてもらうと、非常に分かり易かった。今回参加出来なかった会員のため、機会があればまたお願いしたい、と思っている。ただしさすがに暑い日はやめて、もっと涼しい時期に実施したいのだが。
記H
コメント
昨日は持病の睡眠障害で当日早朝、参加は見合わせるつもりだったが、何度か歩いた陣馬山だから何とかなるかもとエイヤーっと参加させてもらった。
後半疲れが出るだろうと予想はしていたが、山頂まで10分というところでまわりが白く輝き出し、よく見えなくなってしまいN先生の講義も立っていられなくなる始末。
Hリーダーの山行記録で聞き逃した所が理解できました。
ありがとうございました。