天空の楽園、苗場山

例会山行

10月19日(日)

楽しみにしていた苗場山へ。天候が安定せず、中止になるかもと心配したが、実施が決まる。朝5時半、車2台で立川駅前を出発。空は曇りだが、気分は上々。6名で天空の楽園へと旅立つ。

天気予報は9時頃から晴れの予報だったが、トンネルを抜けたら、なぜか雨が降りしきっていた。どういうこと!?一抹の不安を抱きながら、祓川登山口駐車場に車を停める。

祓川登山口駐車場0920発

天候の回復を祈りつつ、雨具を装着。細かい霧雨の中、登山開始。登り始めから見事な紅葉。期待が高まる。

和田小屋0950着、0955発

ここから沢道へ。水が溜まりやすい、とは聞いていたが、前日からの雨のせいか、これはもはや道ではなく沢である。登山道は水没し、水面に出た石を渡っていく。普段はストックを使わない私だが、今回ばかりはストックを持ってきてよかったと心から思う。高度に比例して水は勢いを増し、登山道を川のように流れ落ちていく。いつもテキトーにフラフラと登っているので、濡れた石の上を行くのは、体重移動の良い練習になった。

下の芝1130着、1140発

明るさが増してきたと思ったら、突然、霧が晴れ、青空が広がった。眼下に雲海。雲の上に出た!

中の芝1230着

一面に広がる雲海と、雲の中から顔を出す山々、まさに絶景だ。平標山、皇海山、巻機山…リーダーに山の名前を教えてもらう。

絶景を眺めながらベンチで昼食を取る。雲が動くと、山がぽっかり浮き出てきたり、雲の段差が崩れたりする。楽しい!

中の芝1300発

名残惜しいが、先に進む。15分ほどで上の芝を通過。神楽ヶ峰に続く稜線に出る。股スリ岩を越えると、東側に紅葉の山並みが広がった。苗場山の紅葉は色が鮮やかでスケールが大きい。まさに錦繍。これが見たかった!

神楽ヶ峰1345着、1355発

ガスが上がってきて周囲は真っ白に。神楽ヶ峰から20分ほど下る。富士見坂を通過したところで、苗場山の堂々とした山体が眼前に現れた。

雷清水1415着

水流は細いが、水場は使用可能だった。

西側の谷には水墨画のような雲が流れ込み、色づいた山肌との対比が美しい。

雷清水を過ぎると、下りの道が登りに転ずる。赤い実をつけたナナカマドが群生する中を進み、9合目からの急登を登り切ると、目の前に草原が広がった。

苗場山(2,145m)1520着

残念ながら霧に包まれてしまった山頂で記念撮影をし、宿泊する自然体験交流センター(苗場山頂ヒュッテ)へ。

ヒュッテはこぢんまりとしていて居心地がいい宿だった。天気が良くないせいか空いていて、カーテンで廊下と仕切られた個室が2つもらえる。1部屋を女性4人、もう1部屋を男性2人で使うことにする。

食堂でお酒や美味しいコーヒーを飲みながら、のんびりとおしゃべりを楽しみ、18時からカレーライスの夕食をいただく。

20時に消灯。小屋は暖かく、スペースに余裕があるので、ゆっくり休める。

10月20日(月)

4時半起床。5時頃からヘッドランプを点けて散策に行く。暗い上に霧で視界が悪い。少しずつ明るくなり、草原や池塘が見えてくるが、一面の霧で日の出は望めず、早々にヒュッテに引き返す。朝食は6時。温かい味噌汁とお茶にほっとする。

ヒュッテ0650発

霧で真っ白の中、昨日登った急登を下る。下りはあっという間である。じっとり濡れる程度に霧の密度が濃くなったので、雷清水で、各自、水の補給やザックカバー、レインコートの装着を行う。晴れた日にまた来たいと思う。

中の芝0915発

なんとここで薄日が差してくる。雲の下から山々が現れ、青空が広がっていく。田代湖の青い湖面も見える。昨日に引き続き、中の芝の奇跡である。一面に広がる雲海も良いが、連なる山々の間に雲が渡っていく今日の景色も素晴らしい!

川のようだった登山道は少し水が引き、辿る石の選択肢が増えた分、昨日より歩きやすい。

別パーティーのベテランさんともご一緒させていただき、美しい紅葉を満喫しながらの下山となった。真っ白な枝を黄色く彩る白樺の紅葉が特に目を引く。

もろもろのトラブルもあり、予定より時間はかかったが、1210和田小屋を通過し、1250、全員が無事に下山した。

天気も登山道のコンディションも悪い中、常に先頭に立ってみんなを引っ張ってくれたSリーダー、車を出してくれたリーダーとYさん、宿泊登山に不慣れな私にいろいろ教えてくれたFさんKさん、終始山行を盛り上げてくれたKちゃん、皆様、本当にありがとうございました。

霧雨で楽園感は薄かったものの、雲海も紅葉もなだらかな稜線もどっしりとした山容も、存分に楽しんだ山行でした。行けてよかったです!(M記)

コメント

  1. tuberose より:

    情感豊かで生き生きとしたMさんの筆致、幻想的な雲海から顔を出す山々、艶やかな紅葉の様が目の前に現れました。
    雨で足もとが悪い中、大変だったと思いますが本当にお疲れさまでした。