大楠山、変化に富んだ名低山

例会山行

変化に富んだ名低山だった、花の百名山の大楠山。11月24日(日曜日)、本日のHCWildBerryの例会山行は、三浦半島の最高峰、と言いながら標高241.1mの低山、大楠山でフユノハナワラビを探そうだ。大楠山は、田中澄江がフユノハナワラビで、花の百名山に選定したのだが、現在フユノハナワラビは、ほぼ絶滅してしまい、近種のオオハナワラビだそうだが、それでも珍しい種には違いない。それ以外にも、秋ならコスモス、皇帝ダリア、山茶花、絶滅危惧Ⅱ類のカゲロウランなどが見られる、まさに花の名低山だ。いつものように立川駅に6時20分集合し、JRで川崎、横浜と移動し、京急に乗り換えて、登山口の安針塚駅で降りる。大楠山は、縦走の場合はJR衣笠駅から、ピストン登山の場合は、前田橋や芦名口、湘南村国際センターの各バス停からが多く、このルートは舗装路歩きが多くなるためか、あまり歩かれるルートではない。そこで今回は少し捻ったルートを歩くことにした。8時16分歩き始める。安針塚駅からガードをくぐり、最初の目的地、塚山公園を目指す。ここは桜の名所であるとともに、眺めが良い公園で、江戸時代に造船技術やサツマイモ、外交に尽力したイギリス人、ウイリアム・アダムス(三浦按針)とその妻の墓所がある公園だ。塚山公園で眼下の無人島猿島やベイブリッジ、遠くスカイツリーなどの景色を堪能した後、次の目的地、大楠山登山口バス停を目指す。通常のルートは車道を歩いてバス停に行くのだが、今回は三浦アルプス末端の、畠山(205m)を通るルートを選ぶ。登山アプリ、ヤマップでも一部しか出てこないルートだが、このルートだと、車道歩きが割愛でき、さらに人の少ない山歩きが出来る。里山特有の登り口の分かりにくさ、分岐の多さに地図アプリを駆使して、何とか畠山を越え、10時51分、大楠山登山口バス停に到着する。ここで気になる看板を見つける。登山後の一汗流せる温泉はありがたいのだが、山間の小さな温泉旅館は、施設の老朽化、後継者不足、大手日帰り温泉が出来る、などの理由により、どんどん廃業している。以前、扇山下山後に一汗流せた、君恋温泉などがそうだが、ここ大楠山にも実は2つの温泉(鉱泉)があった。山側の登山口、大楠山登山口バス停近くの、阿部倉温泉・湯の花旅館。海側の前田橋バス停近くの秋谷海岸の大楠温泉。どちらも廃業してしまったが、阿部倉温泉、湯の花旅館がリニューアルオープン予定で工事している。との看板だ。山歩き好きだけでなく、温泉好きにも朗報である。興味があり、どの様なリニューアルなのか確認のため、寄り道をして確認する。大楠山登山口バス停からの山道は、先ほどまでの畠山と違い、踏み跡もはっきりしていて、迷わずに歩ける。11時35分大楠山山頂到着。遅めの昼食を下山後に逗子駅でとる予定だったため、軽食含め30分休憩の予定だったが、のんびりしたコーヒータイムや、伊豆の天城山から箱根の金時山、明星ヶ岳、富士山、遠く筑波山などの山々、江ノ島やランドマークタワー、アクアラインなど360°眺められる素晴らしい景色を堪能したため、1時間も山頂で費やしてしまった。下山口の前田橋バス停を目指すため、下山開始。急坂もなく歩きやすい道。途中気になる草を見つけ、足を止める。オオハナワラビだ。一株見つけると近くに何株かを見つけられる。しかし至る所にあるわけでは無く、数は少ない。やはり珍しい種のようだった。山道途中でも、皇帝ダリア、山茶花などの秋・冬の花が楽しませてくれて、大楠山山頂で見える山の説明をしてくれた、横須賀の山の会の方々と、抜きつ抜かれつしながら、最後に渓谷歩きの雰囲気の前田川遊歩道を通り、無事下山口の前田橋バス停に13時47分到着。寄り道しすぎたため、当初計画よりも1時間以上到着が遅れてしまった。史跡あり、道の変化あり、渓谷歩きあり、山海の景色あり、花の美しさありの、とてもお勧めできる大楠山の山歩きであったが、ゆっくり歩きすぎたため、予定していた海鮮のお店が終了してしまったのが、最後に悔やまれる山行であった。                          記 H

コメント

  1. tuberose より:

    私も行きたかったです!
    是非、またこの企画をお願い致します。