富士は大きい ~秋の金時山~

例会山行

日光白根山への山行予定だったが、前日の夕方、「悪天候のため、金時山へ変更」との連絡が入る。これまで寒い時期はほとんど登ったことがないうえ、寒がりのため防寒のことで頭がいっぱいで、「これの上にこれを着て、その上にこれを着て、、、」と「重ね着予行演習」までしていたが(腕がパンパンになった)、防寒マインドをなんとかリセット。荷物を入れ替えて備えた。

翌朝6時、立川駅に集合。参加者、男性4名と女性4名は車2台に分かれて出発。箱根湯本を過ぎ、金時山登山口に到着。8:34、登山を開始した。

天候は暑くもなく寒くもない、カラリとした申し分の無い晴天。ほんの少し前までの長かった夏が嘘のように感じられた。少ない有休を使って参加した身としては、実にありがたい。低山ばかりの登山歴6年だが、今回初めてYAMAPに山行を記録するため、「活動を開始」ボタンをクリックしていざ出発。(「日光白根山防寒マインド」が抜けきれず、結局防寒着をザックに入れたままで、自分だけ荷物が大きい。)

金時山山頂までは、そう緩くはないが、急登というほどのきつい場所もあまり無く、札幌からこちらに移ってからの2年間、高尾山(景信山までの縦走含む)や御岳山、北海道の大雪(裾合平)くらいしか登っていなかった自分には、ちょうどよいレベルだった。

脇に咲く花々を見ながらゆっくりとしたペースで登る。ホトトギスはてっきり観賞用の花だと思っていたが、自生のものがたくさん咲いておりびっくり。自分のすぐ後ろの方が、どうやら植物博士のようなので、知らない花を見つけるたびに、「これ何ですか?」と聞きまくる。登りの半分を過ぎたあたりから、右手に大涌谷と芦ノ湖が見えてきた。リーダーさんから「山頂まであと少し」と励まされること数回、少しでも段差の小さい所を選んで足を運び続け、1時間半ほどで山頂(1212m)に到着。(下山後、YAMAPに正しく記録が残って無かったことが分かったので、詳しい時間は不明。)山頂は登山者で賑わっていた。「金時山は神奈川県で人気ナンバーワンのお山」とのことなので、土日は、この何倍もの登山客がいるのだろう。外国人の割合が多いのは、手軽な登山で日本一の山の全景が見られるためだろうか。グループ写真撮影後、小休憩。次は乙女峠を目指す。

アップダウンを繰り返しながら、途中、長尾山山頂(1122m)を通過。ヤマボウシの赤い実や野ばらの実が秋を感じさせる。概して金時山の標識「〇〇まであと✕✕分」は、「半トレラン」くらいペースの速い人が基準のようで、私たちの脚では、書いてある時間の1.5倍ほどかかる。1時間ほどで乙女峠手前のピクニックテーブルに到着して大休憩。テーブルの片側に男性、向かいに女性が仲良く並んで着席して食事を取る。それにしても、人が食べているカップラーメンはなぜおいしそうに見えるのだろう。自分もずっとやってみたくて、数年前の秋、余市岳に登った時、一度だけやったことがある。短い休憩時間の中、慌てて掻き込んだ、初めて食べる山頂でのラーメンは格別だったが、盲点だったのは残ったスープの処分。その辺りに捨てることもできず、結局全部飲んだが、次やるとしたら、小さいのにしようかなぁ。でもそしたらせっかく重い思いをして運んだお湯が余ってしまうなぁ、、、。カップラーメンをすすっている方々を横目で見ながら、そんなことを考えていた。

出発後、すぐに乙女峠が現れる。「なんだ、ここだったのか」と言いながら、富士山を背景にグループ写真を撮影。あとは出発地点まで下山するだけだ。

下りは少し楽かと思いきや、岩や木の根が多く、気の抜けない時間が続く。転倒しないよう集中しているためか、「あれ?後ろ付いてきてない?」と思うほど、皆さん黙々と脚を運んでいる。

1時間ほど下って、途中、林を抜け、やっと道路に出た。もう安心だ。遠くから漂うキンモクセイの香りが、やっぱり今年も秋が来てくれたことを教えてくれる。そこから車道脇を少し歩いて、13:20頃、出発地点に到着。

下山後、箱根湿性花園で秋の草花を鑑賞し、温泉で汗を流して帰路についた。一年で最も過酷な季節をやっと終え(今年は1年のうち4分の1は真夏日だったことになるらしい)、やっと来た嬉しい秋の始まりを飾る素敵な一日だった。(記 K)

 10/6に百名山の日光白根山に登れることは、うれしい半面、体力的に不安があって、参加を希望したものの後悔が半分の心境でした。そこに前日の午後5時、リーダーのSさんから金時山に変更するとの連絡が入りました。日光白根山の登山指数がCで、かなりの強風が吹くため危険との理由でした。そして、間髪を入れず変更後の登山計画書が送られてきました。これで、日光白根山への執着はすっかり無くなり、金時山への準備に頭を切り替えることができました。朝日岳の4人の遭遇は、他人事ではなく、Sリーダーの英断がなければ、自分達も同じような危険に遭遇していたかも知れず、改めてメンバーの安全を優先してくれたSリーダーの判断力と決断力に敬意を表したいと思います。 金時山は、快晴しかも無風で、暑くもなく、寒くもなく絶好の登山日和でした。山頂からは、前日の初冠雪をまとった、ほんの先端だけ白い、見慣れない富士山が裾野までくっきりと見え、盛んに噴煙を上げている大涌谷や相模湾、駿河湾まで見渡せる申し分のない絶景が広がっていました。 昼食は、乙女峠の展望台でお弁当をひろげて、にぎやかにいただきました。 Mさんの写真のように金時山、湿性花園とも秋の花が最盛期で、Oさんの解説をお聞きしながら鑑賞することができました。秋の花がこんなにも数多く咲くとは、思いもよらないことでした。いかんせん、花の名前を覚えられないのは、困ったものです。 箱根湿性花園の後は、一の湯という立寄り温泉でゆったりと汗を流し、山旅の締めくくりとなりました。 今回の山行は、行き先変更から始まり、金時山、湿性花園、立寄り温泉と盛りだくさんの内容となりましたが、ほのぼのとした雰囲気で楽しく過ごすことができました。ありがとうございました。 最後に長時間、運転してくださったSさん、Mさんに感謝を申し上げます。 (記 O)

コメント

  1. クマス より:

    新会員のKさん、Oさんの山行記録、情景や心情など初めてなのに素晴らしいものですね!
    素敵な仲間が増えて嬉しい限り(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠.⁠。⁠*⁠♡